* 鏡の国のアリス



今日emmaちゃんの感想を読んで、まさに私が感じていたことを絶妙に言い当てていてどきんとした。
もしかしたら都合の良いように受け取っちゃったのかもしれないけれど。

鏡、反射、というモチーフから私が真っ先に連想したのは別の存在との出逢い、つまり自我の目覚めのまさにその時、というようなことだった。
生まれた瞬間に私たちが知る、個であるという孤独。
他の誰かがいるから、この目に別の存在が映るから、はじめてひとりきりなのだと気付く、その矛盾のこと。
対峙するのはほかのからだであり、同時に紛れもない自分でもある。
宇宙のはじまりと同じくらい重大なわたしのはじまりは、その出逢いと別れを発端とする。


ひとの精神はいつもそんな爆発をいくらでも潜り抜けているのかもしれない。
毎日細胞がちょっとずつ入れ替わるけれど、こころはもっとたくさんのパズルを潜り抜けて、分裂や合体を繰り返してる。
生まれたときからの自分が今の自分に繋がっているのはしっかりこのからだを抱きしめているからなのかも。
いつも長くひきずった影を不思議に思いながら振り切れずにいる。

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鏡というといつも思い出す話があって、
どうして鏡は左右が反対にうつるのか、という疑問のとある答えのことを思い出す。
左右対称のからだを持った私たちは鏡が左右反対にうつると思うけれど、もし左右対称じゃなくて前後が全く同じ生きものがいたとしたら(右手だけがハサミの、のっぺらぼうのバルタン星人みたいなものをイメージしてください)、その生きものは鏡はどうして後ろ前が逆にうつるんだろうって思うだろうね。
というはなし。
もちろん、これは科学のおはなしじゃないよ。