* 『バッハ マタイによる「憐れみ pitié!」全1幕』 アラン・プラテル・バレエ団



アラン・プラテル・バレエ団の作品を見てきました。
もう、とにかくとてもよかった。
明日土曜日とあさって日曜日の14時から時間がある人、渋谷のオーチャードホールに行って見てきてください。
安い席も空いているよ。
ぜひぜひ、ぜひ!見てほしいと思う舞台でした。
友達が出ているからじゃない。
ほんとうに素晴らしかった。

とても今は整理がつかない。
興奮も、胸がどうしようもなく震えることも、含まれるあれこれを反芻することも、なにもとどめられなくて、感想らしいことはまだ書けそうにない。
けれどほんとうに素晴らしい作品でした。

「マタイ受難曲」のアレンジも(アレンジしちゃうんだよ、信じられる?)とてもセンスがよかったし、クラロンの声の澄み切って神々しいこと。
どんな楽器の音よりも透明だった。
あんなに高くて細い音なのに深くて柔らかい。
自然。

クワンは後半にいくにしたがってどんどん乗ってきて、ちょっと考えられないような動きをいくつかなんでもない感じでやってくれた。

…いや、でも動きとか声の綺麗さじゃなくて…
もう、内臓から血液から骨から皮から、全部吸い尽くすような感情の発露。
バッハの旋律にこころが絞られて、どうしようもなく人間があらわれる。
くりかえしくりかえし、脱ぎ捨てて、ちぎって、吐き捨てても。

昨日日記を書いたあたりからどうも私はとても素直になっていて、だから余計に受けたのかもしれない。
どしんと。
もしかして私の生涯ベスト3に入る作品かも。
小池くん、ほんっと、もうこの感動は伝えきれないよー!!

+

終わったあとダンサーやシンガーたちにぎゅうぎゅう抱きついて、ほんとうに素晴らしかった!と伝えた。
もうとっても黙っていられなかったし、ことばじゃ伝えられなくて。
クラロンが「私が歌っているときにお客さんのこころがうわあっと開いていくのが感じられた。私もどんどんオープンして、そこに通い合うものを感じてとてもハッピーだった」っていうようなことを(たぶん)言っていた。
うんうん。
だって今わたしとても無防備だもの。
全部ひきうけちゃいそうだもの。

クワンとマイクとジュリアナと、あと男の子のダンサーとフルートを吹いていたマジックを連れてお好み焼きやさんに行った。
あと、私の両親と、それからしばらくぶりに逢った陽子ちゃん。
陽子ちゃんともっと話したかったな。
お土産の小さな下駄を喜んでくれた。

もうクワンは帰っちゃうのかー…と思うと淋しかった。
ほんの少ししかいなかったのに、爆発みたいにすごいエネルギーをうちにもってきてくれたから。
ほんとうにさみしいよー。


もう、全然ケタが違うのだけれど、私のおどりや考えていることはこことかけ離れていると思って終わりたくない。
もっとこころを動かされたいよ。


とにかく、ちょっと高いけど、ダンスって意味がわからないなあって敬遠しちゃうかもしれないけれど、ただすこんと席に座ってみてみてください。
私だってわからないもん。
でも、わかるために見るんじゃないからそれでいいと思う。
(色んな受け取り方があるから、これはわたしの考えにすぎないけど)
なにかしら、受け取ったり、積もったり、それだけ。
“それだけ”が、ものすごいんだから!
とにもかくにも、みたほうがいい!
…って、しつこくすすめすぎですね。


興奮冷めやらぬ日記でした。

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『バッハ マタイによる「憐れみ piti