砕けるほど

案外わたしは器用じゃなくて、今いちばんの大事ごと以外のことはまったくできないみたい。
器用じゃない、どころじゃないな。不器用のなかの不器用だ。
どうして今まで自分を騙してこれたんだろう?

ニューヨークで体調を崩したばかりなのにまた高熱が続いて、携帯を握りながら今がいつなのか夢だったのか、なにもわからなくなる。

少し手を離そう。


これからフランスから帰ってきている佳子と逢う。
佳子とはよく似ていると言われたものだけど、きっと今はそう言われないだろう。
なんとなく。